今年の夏の一番しんどかった思い出は車の中での試験でしょうか。暑いので日陰でドアを開けて。そうしたら蚊が入ってきて。次の週には現場事務所の一室を借りられましたが(写真)。ああなんて天国。
こんなところで何をしているかって?見ているんですよ。カビがいるかいないか。
化学科出身の私の見解ですが、微生物の検出って化学実験などよりはるかにシンプルです。“小さくて見えないもの”を栄養体(培地)を使って“見えるまで大きく培養”すればよいだけなのです。
ただそれでもネックがあります。どうしても大きくなるまで待たなくてはならない事です。細菌類で1-2日。カビだと5-7日くらいは待ちます。こんなに待っていられない状況は往々にしてあります。
例えば工事の工程上、結果を待ってから進むわけにはいかないとき、後戻りはできないとき。そんな時は工程がうまく進んでいるか検査を行いながら進めていきます。その名もATP検査。すべての生物が持っている「生体のエネルギー通貨」であるATPを測定していきます。
ATP検査と聞いて微生物に詳しい方は「そんな雑駁な(死んでいる細胞のATPも拾うではないか)」と思われるかもしれません。もちろん死んでいる細胞も併せて測定することもありますが、いまはそこも開発が進んでいます。生きている細胞のATPのみを拾うことが出来る機器も増えてきました。これでかかる時間は最短で40分ほどです。弊社で使用しているものは必要とあらば現場で試験ができるポータブルタイプです。
このATP検査機器を使ってデータの社内基準を設けて活用しています。
もちろんこの検査にも菌種が判明しないなど一長一短はありますが、後戻りできない現場の時、微生物が除菌されていなかったら後からとんでもない事になる時、通常の培養と併せた試験を行うことはとても効果的です。是非一度ご相談ください。