閉店間近のスーパーに駆け込むと色んな食品に割引シールが貼られていますよね。特に多いのがパン!弊社のお客様は製パン工場が多いのでどうしても目についてしまうのかもしれませんが。お客様の顔が浮かんで、苦悶することもしばし。このような値引きコーナーに最近は「フードロスを防ごう」のようなポップがあるところが多くなってきたと思いませんか?
実は弊社にお問い合わせをいただく内容としても増えてきたのが「消費期限を延ばしたい」です。以前は「カビが止まらない。何で?どうして?」のような後手後手の相談が多数だったのですが、今は前向きな微生物対策を検討される方も増えてきました。消費期限を延ばすための要因として必要なものは決して微生物だけではありませんが、微生物対策企業として貢献できるところは多くあります。今回はその一部をご紹介いたします。
先日学会発表(*1)を行ったらまさしく「フードロス対策として重要な」とコメントを頂いた話です。
写真を見てみてください。3種類の食パンにカビを植え付けた写真です。カビの種類、植付量、方法、培養時間、全部同じです。不思議だと思いませんか?しっかり生えるものもあれば、何も生えないものもあるのです。もちろんそれぞれのメーカーで製品特性は異なりますから、植付方法を変えたら生育する場合もあります。
重要なことはどのような種類のカビがどのように付着したら消費期限内にカビが目に見えて生えてしまうかを把握することです。これを把握することにより衛生管理を効率的に行うことができます。
弊社にカビ対策をご依頼いただく場合、まずこのような試験を行い、対策重要点を挙げていきます。製品のカビがどうしても止まらない場合、もしかしたらターゲットとなるポイントが違っているのかもしれません。そんな時は是非一度弊社にご相談ください。
ちなみに初めにお話したポップ「賞味期限は美味しく食べられる期間であって消費期限じゃないよ」とも書かれていました。残念。そこに置いてあるパンはみな「消費期限」です!!
次回は、細菌のこともお話しましょう。お楽しみに。
*1)第43回日本食品微生物学会学術総会講演要旨集. 東京, p.67,2022